すべてが思い出になる前に
「友理奈って昔からそうだよね。ある意味、何も変わってない」
茜には全てお見通しなのかも知れない。
過去を恐れて、引きずって後悔して…
「誰かは分からないけれど、じっと待ってても何も変わらない。毎回、同じ事の繰り返しで後悔するだけだよ。本当に今のままでいいの?もし好きな人がいるなら、ちゃんと好きだって言葉にしないと相手に伝わらないよ?」
それは昔と現在の自分にも、胸に刺さるものだった。
「あっ私、そろそろ行かないと‼︎お金置いていくから、またね‼︎」
腕時計を見て慌てた茜は、バックを肩にかけてカフェを後にした。
1人残された友理奈は、外の景色を眺めながらただただ深く溜息をついていた。