すべてが思い出になる前に





友理奈もまたカフェを後にして街を歩いていると、目線の先に道路案内の看板が目に入った。


この近辺に涼太がいる大学がある事に気付き、自然と大学の方へ足が動き始めた。


大学の正門に着いて立ち止まった友理奈は、周りを見渡してキャンパス内に入って行った。


涼太から貰った名刺を頼りに、校舎内の渡り廊下を歩いていると、白衣を着た女性とすれ違った。



「あのすみません、薬学研究科はこっちで合ってますか?」


「はいそうですけど、どなたかお探しですか?」


「宮﨑涼太を…」


「宮﨑くんですね」



白衣を着た女性は手に持っていた手帳を確認し始めた。








< 237 / 369 >

この作品をシェア

pagetop