すべてが思い出になる前に
ケーキを食べたりジュースを飲んだりして、各々が楽しんでいる時
涼太は1人立ち上がり、ベランダへ向かった。
友理奈はベランダへ行った涼太の後ろ姿を見て、席を立ち上がった。
お昼14:10頃の外は日中で1番暖かく、5月の風を感じていた。
「涼太、ちょっといい?」
友理奈が涼太の右隣から声をかけて隣に並んだ。
「誕生日までちょっと早いんだけど…はい、これプレゼント」
友理奈から紙袋を受け取り、思わず声にする。
「何これ?」
「開けてみて⁉︎」
何だろうと袋から箱を取り出して開けてみると、それはテニスシューズだった。
テニスシューズを見て止まってしまった涼太に、友理奈は不安げに涼太の様子を伺った。