すべてが思い出になる前に
「人気者は大変だね」
「ごめんね茜、みんなとご飯食べれなくて」
「友理奈が気にすることないよ!私がただそうしたいだけだから」
青い空の下でお弁当を食べながら、茜が心境を語った。
「いつかこういう日が来るんじゃないかなとは思ってたんだけどね。学業優先なら芸能活動が許される尚且つ、共学だと男子と話すだけで噂になることがあるからって、噂になりようがない女子校を選ぶところとか。友理奈って案外ストイックだよね」
「噂される事が昔からあまり好きじゃないから、女子校に進学して正解だったかもね。まさかサインを求めらるほどになるとは思わなかったけど、まぁそれぐらいの覚悟はしておかないとね」
お弁当を食べた後、教室に戻るとクラスメイトの数人が友理奈と茜に声をかけてきた。