すべてが思い出になる前に
唇を離して、見つめ合う2人はお互いの顔を見て思わず笑みが零れ、2人の間からは甘い雰囲気が漂っていた。
「1人だけ休憩長くないか⁉︎」
翼がラケットを持って2人の方へ歩み寄って来た。
涼太は隣にいる友理奈の肩を組んで、目の前にいる翼に言う。
「俺、友理奈と付き合う事になったから」
翼は涼太の左肩に手をポンっと置いた。
「友理奈は本当に涼太でいいのか?」
「うん‼︎」
「お前ら、付き合うのが遅いんだよ。微妙な距離感にみんなモヤモヤしてたんだぞ‼︎」
「ごめんて‼︎」
「何がともあれ、お前らはお似合いだと思うよ」
翼は照れ臭そうに笑いながらコートの方へ戻っていくが、一度足を止めて振り返る。