すべてが思い出になる前に
「飲み会なんだけど、教授に呼ばれたから少し遅れて来るよ」
「また呼ばれたのか、大変だな」
「早めに片付けるからさ」
忙しいにも関わらず表情一つ変えない涼太に、鴨川は軽く肩をポンと叩いた。
夜の20:00。
先に大学の近くにある居酒屋に集合していた鴨川と富永は、店内の席に案内され、メニュー表を見ていた。
「大丈夫かな、宮﨑くん…」
「ここんところ、徹夜が続いてるっぽいよ。あの教授は時間関係なく連絡してくるからな」
「でもその位、宮﨑くんに期待してるってことよね」
富永は手を挙げて店員にビールを2つ注文した。