すべてが思い出になる前に
「ねぇねぇ、数日前にさ校門前に立ってた背の高い明学の人見た?」
「見た見た!確か2人で立ってたよね」
「めっちゃカッコ良かったから、思わず二度見した。私のどストライクだった‼︎」
「誰か待ってたのかな?」
キャピキャピとした正しくイマドキ女子が、恋バナを話し始めた。
だが話を聞いているとその数日前、南女前で待っていた明学の男子高校生2人組は、涼太と翼であると考えられる。
「友理奈と茜も見た?」
一度返事に困ったが、ここで嘘をつけない友理奈が「見たよ」とだけ答えた。
友理奈と茜はその話しに深入りする事なく、ただ黙って友人達の恋バナを聞いていた。