すべてが思い出になる前に





だが、この薬を人間に応用できるかまでは不明である為、研究グループは他の動物や人間の細胞から作る研究も始めた。


こうやって医学は確実に日々進歩し続け、昔は不治の病とされていた病気の中には、薬の投与により完治する時代になった。


その反面、薬の副作用や長期の服用による「薬づけ」が社会問題として浮上してしているのも事実である。


研究のプロセスは、非常に辛いことの連続だが、成し遂げた時の充実感は格別なもので、『研究職』は世の中を変えることができると確信した。



ある時は深夜まで及ぶ研究に没頭して成果を出し、研究チームで学内や大きな学会で論文を発表するなど、涼太は慌しくも充実した日々を送っていた。





< 316 / 369 >

この作品をシェア

pagetop