すべてが思い出になる前に
1日の研究を終え、ホームステイ先の部屋に入った涼太は、ベッドの上に寝転がりながら、携帯の写真ホルダーを開いた。
今までの思い出の写真を見返しながら、日本での生活を恋しく思い始めた。
中学での体育祭の写真に、高校のテニス部の集合写真、試合後の写真、そして幼馴染5人が集まった写真。
みんないい表情で映っている中に、友理奈の弾けた笑顔に目が止まった。
友理奈が側にいると、太陽のように明るく周りを照らす。天真爛漫というか、いつも笑顔で何事にも一生懸命で芯が強いところがある。
そんな友理奈を見ているだけで心が浄化される事に、今改めて気付き不思議に思っていた。
このまま、幼馴染としていい思い出だけにしてもいいのだろうか。