すべてが思い出になる前に
「なんかさ、最近今後のことを考えることが多くなって。もしバレーを引退するってなった時に、ちゃんと奥さんを養っていけるかなとか、やっぱバレーは好きだし、何かしらの形で仕事に携わりたいなとか、色々考えるわけ‼︎」
スポーツ選手の全盛期は10代〜30代
今後のことを考える照史の不安な気持ちが涼太には分かり、思った事を話し始める。
「俺が照史の立場で現実的に考えたら、今は企業のバレーチームに所属してるだろ?引退して普通のサラリーマンとして働きながら、趣味でバレー続けるっていうのもいいんじゃないか?俺と翼もこんな感じで、なんだかんだ言ってテニス続けてるしさ」
確かにそうだねと周りも頷く。
こうやって近況を話し悩みを打ち明け、共有できる仲間が近くにいるということは、幸せな事なのかも知れない。
「ねぇ、みんなに報告があるの‼︎」
茜がトーン高めの声で皆んなに話しかける。