すべてが思い出になる前に
「いきなりどうしたんだよ⁉︎急に改めだして…」
「実は…彼氏ができました‼︎」
「おぉよかったじゃん‼︎」
「キッカケは?どんな人なの?」
「職場の先輩の紹介で、広告代理店勤務の人よ。それがさぁ〜本当のところ彼氏候補が3人いて、誰にしようか悩んでたの」
「なるほど…天秤にかけてたのね」
「うーわ、小悪魔女子だったんだお前…」
本人を目の前にして失言をした翼に対し、茜は笑いながらテーブルの下で翼の足を踏んだ。
「痛っ…」
「仕事が忙しくて自分の事で精一杯、もう恋愛どころでもなかったのに。突然のモテ期到来‼︎」
男性は女子アナみたいな清楚で品のある女性が好きだと聞くが、やはりそうなのかと。
でも茜の事だから、慎重に考えて篩にかけ続けて選んだ彼氏だと思い、一安心した。
「茜には絶対、幸せになってほしいな」
友理奈は心からそう思った。茜に限らずとも、幼馴染が幸せになって欲しいとみんなが、誰もが願った。