すべてが思い出になる前に
「どうした?何で照れてんの?」
「照れたというか…涼太のお嫁さんになるんだと思ったら、やっぱり嬉しくて」
「嬉しいこと言ってくれるね。結婚した事を絶対後悔させない。これからは笑顔の絶えない素敵な家庭を築こうな」
お互い目を合わせて笑い、2人の間には幸せオーラが漂っていた。
涼太は手を伸ばして友理奈の手をギュッと握って歩き出した。
涼太の大きくてゴツゴツした手から温もりを感じながら、小さくてか弱い友理奈の手を優しく握り返す。
「さっ、帰ろうか」
「うん‼︎」
”この何気ない日常が幸せだと思える”というのが結婚だということなのだろうか。