すべてが思い出になる前に




独身の頃は、デートをして同じ家に帰れる事がこんなに幸せなことだとは思わなかった。


帰る家が同じになるって、「結婚したんだな~」と実感できる瞬間で、思わず嬉しさがこみ上げる。


毎日好きな人と一緒に隣で寝られるというのが結婚の醍醐味だと思う。


そして困った時、悩んでる時にいざとなったら夫に頼れるというのは、やっぱりすごく心強いことなんだと。




何か特別なイベントがなくても、「一緒にいるだけでいい」


そんな何気ない日常が幸せだと感じられるのは、とても素敵な事で結婚しなければ分からない幸せというものもある。



お互い幼馴染で物心がついてからの記憶には、常に一緒にいて、今思えばずっと一番気になる存在だったのに


身近過ぎる故に心のどこかで恋愛対象にすることを避けてきた。


それがいつしか好きなんだって気持ちに変わり、長年の想いがあの瞬間吹き出したんだと思う。






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