すべてが思い出になる前に
対戦相手がサーブを打ち、涼太は来たサーブを思いっきり相手側のセンターラインギリギリの2㎝手前で打ち返した。
ベンチで見ていた翼がいきなり立ち上がり拍手を送った。
「よし、リターンエース‼︎」
そこから涼太の快進撃が続いた。
団体戦の中の個人戦1人目で涼太が大逆転勝利をもぎ取ったが、続くダブルスで翼に出番が回って来たが力及ばず、3-2で惜しくも負けてしまった。
ラケットをコートに叩きつけるように投げた翼の悔しそうな表情を見るのは辛いものがあった。
そして明学は県大会二回戦で敗退した。
明学テニス部が集まって反省会をしている後ろで3人は待機していた。