すべてが思い出になる前に
反省会が終わり現地解散になった途端に、友理奈が2人の名前を呼んだ。
「涼太!翼!」
名前を呼ばれた2人は振り向くと、そこには笑顔で手を振る友理奈、照史と茜も待っていた。
茜が2人に飲み物を手渡しながら声をかけた。
「お疲れ様、残念だったね」
「あとちょっとだったんだけどな〜」
相変わらずの翼は、あははと笑いおちゃらけていた。
一方、涼太は意外にも冷静だった。
「みんなの声、聞こえてたよ」
「友理奈がいきなり立ち上がった時はヒヤヒヤしたわよ〜」
「だろうな」
クスッと笑う涼太を見た友理奈はホッとしていた。