すべてが思い出になる前に
「廊下走るなって!」
「お前も走ってるだろ!」
「先生にバレても知らねーからな!」
校舎内を走り回り、バタバタと靴を履き替えて全力疾走で学校を後にした。
角を2つ曲がり、まっすぐ進むと女子高が見えてきた。
校門の近くで足を止め、左腕にはめている腕時計を見た。
「何で待ち合わせここにしたんだよ」
「そんな事言うなよ〜」
隣の学校で白シャツに黒いズボンを着た長身の男子高校生2人組が、女子高の近くに立っていると、目立ってしょうがない。
そわそわしている涼太と翼はある人を待っていた。
「まだかな…ちょっと暑いからさコンビニ行かね?」
涼太は翼を誘い、近くのコンビニに入った。