すべてが思い出になる前に
綺麗で大人な雰囲気を漂わせており、ある意味で系統は違うが、誰かさんとどこか似ている。涼太の兄、裕典がその女性の方に振り向いた。
「おぉ、誰かと思ったら麻紗子(あさこ)じゃん、久しぶりだな」
友理奈の姉、麻紗子だ。
2人は共に幼稚園から中学まで一緒の幼馴染で、およそ6年振りの再会だった。
「あれがあの涼太くん?」
「あぁ」
「小学生の時のイメージが強すぎて…」
「もう俺よりデカくなっちゃったよ」
「何かお父さんに似てきて、凄いイケメンになってる!」
「涼太の方が顔はいいって前から言ってるやん‼︎」
「増してカッコよくなってる」
麻紗子は目を光らせて涼太を遠くから眺めていた。