すべてが思い出になる前に




ぼーっとしていた涼太に気付いた照史が肩をポンっと手を置いて声をかけた。



「涼太、どうした?」


「いや、何でもない」



涼太の視線の先を追った照史は、友理奈だと確信した。



「ふーん。いや、友理奈をじっと見てたからさ、なんかあるのかなって」


「は?照史、お前何言ってんの?そもそも見てねーから」


「そう…」



友理奈と茜が振り返り、涼太と照史が2人でこそこそ話しているのが気になった。



「涼太達、何話してるの?」


「内緒だよ」


「何それ⁈」



ニコッと微笑んだ友理奈の笑顔、この時が最後に見た笑顔となった。





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