オオカミくんと透明少女
【あれはただの状況反応だ!】

「それって理由になる?」

「え、ダメ?」

まったく分からん。
こんなに詳しく聞いた意味はあったのか。
これは私がいけないのだろうか。
まぁ良いだろう。適当で。

「いやぁけどさー、こんなに早く見つかるとは思わなかったなー」

「北って北海道でしょ。よく東京まで来れたよねやっぱオオカミだから?」

沙弘斗はさぁ?と言うように首を傾げた。
何だろう。耳があるからかな、すごいキュンとしちゃった。

「見つけるのはよかったけどまさかこんな簡単に付き合ってくれるなんて思わなかった〜」

「なっ」

さっきのことが頭に浮かんでぼっと頭に熱が上がった。
それは恥ずかしさもあるがすぐに付き合うと言った自分が馬鹿だと思ったからだ。
途端に一気に言い訳がでてくる。

「あ、あれはただの状況反応だ!」

おい男子の癖にそんな悲しそうな顔しないで!
こっちが悪気感じる!

「じゃあ、付き合わないの?」

うっ
無理だ無理だ!
断るなんてそんなことできるわけが…
あーっもう限界だ。負けた。

「付き合うよ」

恥ずかしくて顔合わせられないけど沙弘斗が笑っている気がした。

「よろしくね。紅流那」
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