僕と君
自分のお気に入りの商品を見つけた時、身体の中から、何か騒めく瞬間がある
「これでしかダメ」という瞬間。
恋もそうだ。何を根拠にこの人というわけではないが、何だかこの人しかダメと感じる。
それが、私の憧れの滝沢先輩。
先輩は、桜丘高校でも有名で読者モデルとしても人脈を広げており、我が校の才色兼備はまさに彼そのものだと思う。
そんな先輩と、同じ文化祭実行委員会になり、夏休み後の文化祭に向けて会う時間が増えて、夏の暑さなんて全く気にしないくらい、私の夏休みが青々している。
だけど先輩は、高校3年生でこの夏の実行委員会で引退してしまう。この機会を逃してしまえば、先輩とは会えることができない、喋りたいのに、喋りたい想いが募る。