その男×未亡人?
「…………っ」
「……よ」
あれから2週間
少しでも佐倉に近づけるように
見かける度に話しかけた
最初はまた泣いたりしたし
時には発作?過呼吸みたいになったりもした
そんなに拒否反応出んのかよってほど
それはかなり傷ついた
そしてその度にあの男が現れて
佐倉を連れ去っていく
「藤崎…くん」
「やっと名前言えるようになったんだな」
「嫌でも……覚える」
「ははっ…毎日会ってれば、な」
「…………」
こうやって話せるようになったのは進歩だ
「近くに行っても、いいか?」
でもまだ距離はある
3メートルはあるな、これ
ビグッ___ブンブン
一瞬体を震わせ首を横に振る
「そっか……」
「あっ、ごめ…」
「いや、いいよゆっくりで」
「…………」
どうして俺”だけ”が
こういう扱いなんだろう
最初は男子が苦手だと思ってたけど
俺以外の男子とは必要最低限だけど
泣かずに、動揺せずに話している
でも俺だけ反応があきらかに違う
それを聞くには
「……………」
「……………」
まだ距離がありすぎると思う