その男×未亡人?
「双子だって証拠あんのかよ」
動揺、してる
落ち着け。
震える手
青ざめてるのが分かる
「……ある」
そう言うとピッピッとスマホをいじりだす
「ふっ……懐かしく感じるよこれ」
ある画面で指を止め
俺にその画面を見せる形でスマホを渡した
「………っ見たくねぇ!」
マジなのかよ
こんなの、ありえるのか?
写っていたのは
幸せそうに笑う制服姿の4人
俺とは違う、中学の制服を身にまとい
佐倉、立道、そして由美ってゆー女と
俺と顔がそっくりな…男がいた
ゾクッとする感覚が体中を襲う
ドッペルゲンガーじゃ…ねーよな
これ、俺じゃ、ねーよな
だって顔は俺じゃねーか!
「……わかった?」
「………っ」
これだけでもパンク寸前なのに
「交通事故で、死んだ?」
「あぁ、今日は確かちょうど3ヶ月だな」
「……お前らが近づくなって言ったのも」
「思い出させたくなかった」
それは、俺も友達だったらそうする…
「ホントにびっくりしたぜ?双子ってのは颯から聞いてたけど、一卵性双生児のなかでもこれはそっくりすぎだろ」
………たしかに、写真見たときゾッとしたし
「新入生代表挨拶しただろ、一瞬霊かと思ったし」
「わりぃ、頭痛い…今日は帰るわ」
一気にありえないことが多過ぎだ
「藤崎」
「…………」
「コイツに近づきたいなら、覚悟してこい」
「あぁ……」
今までの気持ちが中途半端だったって気付かされる
俺は…いきなりいなくなったりしない
もう、アイツを悲しませたくない
一目惚れとか言ったけど
3週間アイツを知っていくなかで
中身自身に惚れ直した
外見からは想像もつかないほど
かわいくて、おっちょこちょいで
誠実で、正義感が強くて
強がるくせに、すぐ泣いて
ってまぁ、俺のせいなんだけど
「俺に、颯を重ねてたのか…」
なら、納得いく
初めてあった時のあの表情
俺は………
「颯じゃねぇ…」
絶対俺を好きにさせてみる
俺は颯を超えてみせる____