恋雨
春
ドキドキと、胸の音が聞こえる。
グランドを走る“彼”見たのは、4月の半ば。
教室はまだ、真新しい制服に身を包んだ人達ばかりだった。
「森ー!打てー!!」
カキーン!と音が響いて、“森”と呼ばれた人が持っているバットは、強く高く、ボールを弾いた。
「森先輩…」
18のユニホームの後ろ姿は、泥で汚れているのに輝いていた。
キラキラと光る笑顔に惚れた春。
まだ次の春を知らない私。
グランドを走る“彼”見たのは、4月の半ば。
教室はまだ、真新しい制服に身を包んだ人達ばかりだった。
「森ー!打てー!!」
カキーン!と音が響いて、“森”と呼ばれた人が持っているバットは、強く高く、ボールを弾いた。
「森先輩…」
18のユニホームの後ろ姿は、泥で汚れているのに輝いていた。
キラキラと光る笑顔に惚れた春。
まだ次の春を知らない私。