リナリア
向日葵畑を堪能し、ソフトクリームを食べたところで次の目的地へと向かう。
「次はどこ行くの?」
「撮影に使われていた駅です。そこで写真を撮ったら、その駅から帰ろうかなと。」
「もう帰るの?まだ夕方だよ?」
「そうですけど、知春さんは明日だって仕事では?そろそろ映画の撮影も始まるんじゃないですか?」
「…うん。はー…本当、今の悩みの種だよ。」
「オーディション、受かったって聞きました。」
「本当は名桜の答えを聞こうと思っていたんだけど、その前に応募されてたというか…。」
「全部観ましたよ。知春さんが出ていたドラマ。」
「忙しいのに、ありがとう。」
知春が少しだけ微笑んだ。
「見事に当て馬ばかりというか、想いが届かない役が似合うというか…。」
「実体験だからね。まぁ、相手は色々違っていてそこは結構苦労した。」
「おしとやかな子から元気な子までいましたね。ヒロインの子は。」
「うん。当たり前のことだけど、相手が違うと想いの寄せ方って難しかった。」
「想いの寄せ方、ですか。」
日差しは夕方になってもまだきついままだ。日傘をさしていても、汗がにじむ。
「自分の経験としては、ただ想うだけで見返りを求めない。だからこそ、想っていることに気付かれたらいけないみたいに思っていたし、実際に誰にも気付かれずに終わってるわけで。だから、難しかったよね。気付かれたくないとは思ってなかったわけだし、役柄の中の彼らは。」
「…言われてみればそうですね。すみません。そこまで考えて観ていたわけではなくて…。」
「はは。当たり前でしょ、そんなの。名桜は視聴者だし。」
「一応、もう手遅れではあるんですけど、私の考えを伝えてもいいですか?」
「もちろん。」
「次はどこ行くの?」
「撮影に使われていた駅です。そこで写真を撮ったら、その駅から帰ろうかなと。」
「もう帰るの?まだ夕方だよ?」
「そうですけど、知春さんは明日だって仕事では?そろそろ映画の撮影も始まるんじゃないですか?」
「…うん。はー…本当、今の悩みの種だよ。」
「オーディション、受かったって聞きました。」
「本当は名桜の答えを聞こうと思っていたんだけど、その前に応募されてたというか…。」
「全部観ましたよ。知春さんが出ていたドラマ。」
「忙しいのに、ありがとう。」
知春が少しだけ微笑んだ。
「見事に当て馬ばかりというか、想いが届かない役が似合うというか…。」
「実体験だからね。まぁ、相手は色々違っていてそこは結構苦労した。」
「おしとやかな子から元気な子までいましたね。ヒロインの子は。」
「うん。当たり前のことだけど、相手が違うと想いの寄せ方って難しかった。」
「想いの寄せ方、ですか。」
日差しは夕方になってもまだきついままだ。日傘をさしていても、汗がにじむ。
「自分の経験としては、ただ想うだけで見返りを求めない。だからこそ、想っていることに気付かれたらいけないみたいに思っていたし、実際に誰にも気付かれずに終わってるわけで。だから、難しかったよね。気付かれたくないとは思ってなかったわけだし、役柄の中の彼らは。」
「…言われてみればそうですね。すみません。そこまで考えて観ていたわけではなくて…。」
「はは。当たり前でしょ、そんなの。名桜は視聴者だし。」
「一応、もう手遅れではあるんですけど、私の考えを伝えてもいいですか?」
「もちろん。」