リナリア
「お疲れ様でしたー!麻倉さん、さすがだね。」
「いえいえ、上原さんの表情が良かったんです。」
「知春が言ってた通り、面白くていいカメラマンだね。また一緒に仕事がしたいな。」
「…急にいっぱい振るのだけはやめてくださいね。」
「そっか。今は忙しいんだっけ?」
「一番忙しい流れは終わりましたけど、ありがたいことにかつてないほど仕事の依頼があります。」
「じゃあ次はいつになるかわかんないけど。」
差し出された手と、明るく屈託のない笑み。名桜はその手を握り返した。
「またお互い、いい仕事しようね。」
「はい、ぜひまた一緒にお仕事できたら嬉しいです。よろしくお願いします。」
「じゃまたね。知春によろしく。」
「…よろしく…?」
(絶対私より上原さんの方が会う確率高いと思うけどな…。)
そんなことを思いながら、少しだけ首を傾げて上原を見送る。完全に見えなくなって、名桜は椅子に腰かけた。
「お疲れ様。」
「安田さん!」
「はい、差し入れ。」
アイスティーが差し出された。その左手の薬指にきらりと光るものがある。心臓がどくんと音を立てた。
「ありがとう、…ございます。」
「疲れちゃった?今日は学校帰りの仕事だもんね。」
安田はいつも通りの笑顔を浮かべている。心臓がドクドクとうるさい理由が、全くわからない。
「いえいえ、上原さんの表情が良かったんです。」
「知春が言ってた通り、面白くていいカメラマンだね。また一緒に仕事がしたいな。」
「…急にいっぱい振るのだけはやめてくださいね。」
「そっか。今は忙しいんだっけ?」
「一番忙しい流れは終わりましたけど、ありがたいことにかつてないほど仕事の依頼があります。」
「じゃあ次はいつになるかわかんないけど。」
差し出された手と、明るく屈託のない笑み。名桜はその手を握り返した。
「またお互い、いい仕事しようね。」
「はい、ぜひまた一緒にお仕事できたら嬉しいです。よろしくお願いします。」
「じゃまたね。知春によろしく。」
「…よろしく…?」
(絶対私より上原さんの方が会う確率高いと思うけどな…。)
そんなことを思いながら、少しだけ首を傾げて上原を見送る。完全に見えなくなって、名桜は椅子に腰かけた。
「お疲れ様。」
「安田さん!」
「はい、差し入れ。」
アイスティーが差し出された。その左手の薬指にきらりと光るものがある。心臓がどくんと音を立てた。
「ありがとう、…ございます。」
「疲れちゃった?今日は学校帰りの仕事だもんね。」
安田はいつも通りの笑顔を浮かべている。心臓がドクドクとうるさい理由が、全くわからない。