リナリア
「はじめまして。ちーくんの姉の深冬(みと)です。今日はよろしくね。」
「よろしくお願いします。」
「名桜ちゃんってこんな感じの子だったのね。写真はよく仕事で使わせてもらってるんだけど。」
「え?」
「深冬は雑誌の編集で働いてるんだ。ファッション誌だから、名桜の写真、最近は結構使ってるんじゃない?」
「そうなの!もちろんちーくんの写真もよく載せるけどね。」
「俺はジャンル違うでしょ。」
「そうだけど。」
(仲の良い姉弟なんだな…。知春さんも表情、いつにも増して優しい感じだし。)
ここにきて最初に会った知春は、少しだけいつもと違う気がした。違いが上手く説明できないが、ただ違うとしか言えない。
「名桜。」
「はい。」
「多分最初、こっちに立った方がいいと思う。入ってくるところ、正面の方がいいでしょ?」
「そうですね。今立ってみてもいいんですか?」
「もちろんよ。動きも練習してみる?」
「いいですか?」
「うんっ!」
笑顔が眩しくて、そして綺麗だ。花嫁は綺麗なものだと思っていたが、こんなに綺麗だとは思っていなかった。『幸せ』というものが形を成したらこうなるのだと、名桜は初めて知った。
「よろしくお願いします。」
「名桜ちゃんってこんな感じの子だったのね。写真はよく仕事で使わせてもらってるんだけど。」
「え?」
「深冬は雑誌の編集で働いてるんだ。ファッション誌だから、名桜の写真、最近は結構使ってるんじゃない?」
「そうなの!もちろんちーくんの写真もよく載せるけどね。」
「俺はジャンル違うでしょ。」
「そうだけど。」
(仲の良い姉弟なんだな…。知春さんも表情、いつにも増して優しい感じだし。)
ここにきて最初に会った知春は、少しだけいつもと違う気がした。違いが上手く説明できないが、ただ違うとしか言えない。
「名桜。」
「はい。」
「多分最初、こっちに立った方がいいと思う。入ってくるところ、正面の方がいいでしょ?」
「そうですね。今立ってみてもいいんですか?」
「もちろんよ。動きも練習してみる?」
「いいですか?」
「うんっ!」
笑顔が眩しくて、そして綺麗だ。花嫁は綺麗なものだと思っていたが、こんなに綺麗だとは思っていなかった。『幸せ』というものが形を成したらこうなるのだと、名桜は初めて知った。