空に願いを…


信じられないと、
見たくない、逃げたいという衝動に駆られ
私はその場から逃げた


「さくらっ!」


友達の声が聞こえたけど
振り向くことは出来なかった

どのくらい走ったか
息が上がっていて、少し休みたい

公園が目に入り、中へ入る
木陰にベンチがあるのに気がつき
ベンチに腰をかけた


まさか、空に会うなんて思わなかった
もう大丈夫、忘れたとばかり思っていた

けど逃げ出した
まだ、ダメなんだ


友達に謝りのメールを入れ
戻ることはせず、アパートへ帰った



先輩に言われたことがあった

「失恋は新しい恋で忘れられる」

だから私は
先輩に頼んで苦手なコンパに
何度も参加した

連絡先を交換しようと言われたらする
デートしようと言われたらする

キスも…拒まない


それで空を忘れられるなら…
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