空に願いを…



「桜ちゃん、俺と付き合って」


空が出て行ってから10ヶ月
私に新しい彼氏が出来た


光永亮くん、25歳の大工さん
コンパで知り合い、何度かそのメンバーで飲むことがあった

「さくらちゃん」『みっちゃん』と
呼ぶようになり、仲良くなった


みっちゃんは筋肉ムキムキで
真っ黒に日に焼けている
大工さんだから、当たり前かと思うが
私には、それすら新鮮だった


みっちゃんには、空の話をしてあった
もちろん、付き合う前の話


「無理に忘れなくていい。ゆっくりでいいから、俺との事を考えてほしい」


みっちゃんの優しさに甘えた私
申し訳ないと思ったが
みっちゃんは、それでもいいって。

みっちゃんを好きになりたい
みっちゃんとの将来を描きたい

けど、そう思うだけで
いつも私が描く未来は
私と…空の未来だった
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