空に願いを…


バタバタとアパートに雪崩れ込むように入り、鍵をかけ
モタつきそうになりながらも
靴を脱いで部屋に入る


いつもは優しく、ゆっくりする口づけも
今日は荒々しくキスをしたまま
お互いの福を脱がす

痛っ、と言いたくなるくらい乱暴だ
けど、それが何故か笑える


多分、これが本当のみっちゃんだ
今まで私に合わせてくれていただろう
なら、今日は形振り構わずでいい


「桜」


みっちゃんはいつもと変わらず
私の名前を呼んでくれる
誰かの名前と間違えることなく…



みっちゃん、と呼びたくなった
けど、今は違う気がして


『亮』


そう呼ぶと、一瞬だけ動きが止まり
私の目を見て、ニカッと笑い
私に荒々しい口づけをしてきた


背中は冷たい、けど
みっちゃんと抱き合っている部分だけ
とても熱かった
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