空に願いを…
「連絡すれよ、荷造りだって一人でやったら大変だろう?」
いつもと変わらないみっちゃんだった
聞いていいのかわからず
私はみっちゃんが買ってきてくれた
肉まんを頬張った
「桜…、ありがとうな」
私は勘違いをしていなかったようだ
あの彼女は
やはり、みっちゃんが結婚を考えた相手
「香澄…っていうんだけど、おれと別れた後、父親に無理矢理お見合いをさせられ、勝手に話を進められたそうだ。知らずに行った先で結納を交わされそうになり、逃げ出したが直ぐ連れ戻された。その後は家から出れなくなり、部屋に施錠をされる始末で、精神的におかしくなり……自殺を図ったって」
みっちゃんは苦しそうに話す
私はそれを黙って聞くしか出来ない
もういい、って言おうかと思ったけど
もしかしたら、誰かに聞いて欲しいのかもと思った