空に願いを…
「桜、おせーよ。荷物の搬入も終わったし、トラックも返した。あいつも帰って行ったから、あとは香澄が手伝ってくれるからさ、……さくら?」
どうやって、アパートにたどり着いたのかわからない
けど、今目の前に
心配そうに私を見るみっちゃんと香澄さんがいる
『…みっ、ちゃん…、空が…空が…』
私はその場に泣き崩れた
大声をあげて、わんわん泣いた
状況が読めないみっちゃんも
香澄さんも慌てて私に駆け寄ってきた
どうして?
どうしてなの?
それしか出てこない
嘘だと言ってほしい
お願いだから、嘘だと言って!
「今日はね、空の四十九日の法要だったの」
さつきさんの言葉に
私は笑ってしまった
『何を冗談言っているんですか?』
けど、さつきさんは何も言わない
『…冗談、ですよね?…なんで?どうして?…どうして空が!』