空に願いを…
新しい命
『何も…知らなくて、すみませんでした』
私は空の両親に頭を下げた
知っていたからといって
何かが出来たわけではない
けど、それでも
知っていたら、
空のそばにいたと思う
「桜ちゃん、こちらこそごめんなさいね。…悩んだのよ、日に日に元気を無くす空に何か出来ないかって…桜ちゃんに会えば、元気になるんじゃないかって…」
でもね、とお母さんが話していた言葉を
お父さんが続けた
「男は好きな奴の前では強がるもんだ。弱い自分を見せたくなかったんだ」
空の写真を見ると
なんだか頷いているように見えた
そのあと、空の部屋を見せてもらい
病室で使っていたノートを見せてもらった
日に日に崩れていく文字
でも、空は生きようとしていた
そして、生きて
いつか私を迎えに行く…と