空に願いを…
そろそろね、と言ったさつきさん
「大丈夫?」
心配そうに見てくるさつきさん
それは最終確認だ
『大丈夫、この日のために半年間頑張ってきたんだから』
数は限られている
だから、無駄にはできない
お願いします、と
始まる、私の戦い
そして、待つという
憂鬱な時間
それでも私は恵まれていた
みっちゃんと香澄さんがいて
さつきさんがいて
空の両親がいる
勘当された両親がいてくれたら
心強いけど
それは無理な話だ
一度目、二度目と失敗し
三度目に挑戦したのは
空が亡くなって1年経った頃
一周忌の法要は
身内だけのものだった
そこに私も参加した
空の親戚の人は
私の事を知っていた
桜ちゃん、と昔から知っているかのように呼んでくれた