空に願いを…
その日の夜、私は
空の実家へ泊まらせてもらった
もちろん、さつきさんもいて
明朝に会社まで送ってもらえる事になった
「桜ちゃん…、辛かったら辞めてもいいんだよ?」
そう言ってくれたのは、空のお母さん
いつも、ダメでしたと報告していた
私が辛いと感じたのだろう
『大丈夫です、今週には結果が出るんです。…ダメであれば、さつきさんと相談して、時期を考える事も検討します』
そう言葉にするが
私は諦めたくない
焦っているわけではないけど
期待する分、落胆は凄い
『おやすみなさい』
そう言って、部屋へ入る
ここは空の部屋
もう空の匂いなんて残っていない
けど、空の匂いがした
空…、会いたいよ
空…抱きしめて欲しい、キスして欲しい
空の…赤ちゃんが欲しい…
そう願いながら眠りについた