空に願いを…
「これで3回目ね。桜ちゃん、もし今回もダメなら…少し時期をずらしましょう」
そう言ってくれたのは
さつきさんの同僚の小柴先生
『…はい、わかりました』
小柴先生は多分、さつきさんに相談したんだろう
大丈夫、まだ時間はあるし
今日がダメだったわけではない
「じゃぁ、検査するわね」
そう言って、機械音がした
コレが一番のストレスだったりする
空…私の願いは我儘なのかな?
そう思いながら眺める自分の左手
薬指にはクローゼットタンスにあった
空が買ってくれていた指輪
私用のが上
緩い指輪のストッパー代わりだ
空用の指輪は大きかった
他の指にはめようかと思ったが
二つ一緒がシックリくる
二つで一つのデザインの指輪
いつも、これを見て元気をもらっていた
その時
あっ、という小柴先生の声がした