空に願いを…
わずかな望みだった
完治しないのは、わかっていた
けど、万が一って希望を持った
桜に会いたい、
桜の笑顔が見たい
それだけが俺の全てだった
「俺たち、別れよう」
そう告げた時の顔が忘れられない
泣きながら俺に話しかける姿が
我慢できなく、抱きしめたくなった
けど、今抱きしめたら
二度と手放したくない
そうしたら、桜は絶対辛い思いをする
抱きしめたいという腕を抑え
俺は思ってもいない事を
桜に言ってしまった
本心ではないが
それで俺を忘れてくれたら…
俺を嫌いになってくれたら…
少しでも、桜が傷つかなかったら
俺はそれでいい
俺がいなくても
桜が笑顔で幸せに暮らしてくれることが
何よりの願いだから
本当は俺の手で幸せにしたかった…
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