空に願いを…






「なぁ、もし俺が死んだら、あの精子はどうなるんだ?」



ふと思った事を、さつきに聞いてみた


『…どうする?』


その決定権は俺にあるのかと思った
俺がいらないと言えば破棄するだろう
そして、知らない人が勝手に
俺の子供を産むのは絶対に嫌だ


俺の子供を産んでいいのは桜だけ
そう、桜だけなんだ



「俺が、子供を残して欲しいって願ったら、それって使われるんだろ?」


『そうね、精子バンクに提供をして、順番を待つことになるけど…誰にいつっていうのは、誰にもわからないわ』


いや、そうじゃなくて


「俺が桜に子供を産んで欲しいと願ったら?それは叶えられるの?」


多分、俺はとんでもない事を
口走ったんだと思う
まさか本当に実現するするなんて
考えもしなかった



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