アシスタント!!
「僕の初恋なんです。直見さん。あの編集部で会えるの、楽しみにしてたんですよ?」


オタクの少年とわざわざ友達になりたい中学生もいなかっただろう。

それは直見も同じことだった。


いやむしろ、女子である直見の方が壁は大きかったが、


もちろん好きなことをしている方が楽しく、そんなことは気にならなかった。


それを諦めてまで、我慢してまで現実の友達がほしいなどと、思うはずもなかった。


当時の巧の、生き生きとした顔が重なって戸惑う。


今思えば、唯一顔を見て話した他人だった気がする。


巧の携帯が鳴った。


「はい、はい、すみません。もうすぐ戻ります」


編集部からの呼び出しのようだ。


「いい返事、待ってます」


一方的に言うと、会計を済ませ出ていった。


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