アシスタント!!
「失礼します」


急いで上着を脱ぐと、席につきペンを執る。



ーーー何時間、経っただろう。



時計の秒針、ペンの音、トーンを切り、貼る音が、室内に響く。


が、

完全に集中した2人には、何の音も耳に入らない。


また、数時間。


ただただ無心で紙に向かう。


描き直しということ自体忘れるほど。


巧は、電車の会社に問い合わせながら、帰ってきた道をたどり、

駅のホーム、ゴミ箱、椅子の下、

可能性のあるところすべて、くまなく探し歩いた。



ふと、直見の携帯のバイブが隣の部屋で鳴った。


びくっ!となるが慌てて飛び付く。


「巧くん?!」


電話の向こうでしどろもどろになる。


「あ、あの、原稿、あったんですけど」

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