アシスタント!!
「思い切り、殴られました」
数日後、夕方。
すべての原稿が上がり、連休をもらって帰省した息子の映(アキ)とふたり、
アパートの部屋でくつろいでいたところに、巧が菓子折りを持って詫びに訪れた。
「あの先生、手を上げるんだ」
「そういうことじゃなくて」
映の言葉に、慌ててことの顛末を手短に話す直見。
どうもこの男は言葉が足りない。
今思えば、多少個人的な感情もあったのだろう。
「仕事で失敗したら、ことによってはそうなるってことよ?体罰じゃないんだからね?」
「大体なんでそんな大事な原稿持ったまま食事に行くんだよ」
それはそうだ。
「美人の誘いは、独り占めしたかったんじゃない?会社に帰って
浮かれてたら、バレてお邪魔虫が付いてくるからかな」
なかなか鋭い。巧ならなりかねない。
「それにしても、よくスクープされなかったね?他の男と食事に行ったら撮られるんじゃないの?」
「仕事の打ち合わせにしか見えなかったらしいよ。僕そんなに頼りない?」
「マネージャーだと思われたんだ。かっこ悪」
無邪気に笑う。
巧は落ち込むが、エグられたお返し、と、直見も咎めない。
「それでね、あの…」
数日後、夕方。
すべての原稿が上がり、連休をもらって帰省した息子の映(アキ)とふたり、
アパートの部屋でくつろいでいたところに、巧が菓子折りを持って詫びに訪れた。
「あの先生、手を上げるんだ」
「そういうことじゃなくて」
映の言葉に、慌ててことの顛末を手短に話す直見。
どうもこの男は言葉が足りない。
今思えば、多少個人的な感情もあったのだろう。
「仕事で失敗したら、ことによってはそうなるってことよ?体罰じゃないんだからね?」
「大体なんでそんな大事な原稿持ったまま食事に行くんだよ」
それはそうだ。
「美人の誘いは、独り占めしたかったんじゃない?会社に帰って
浮かれてたら、バレてお邪魔虫が付いてくるからかな」
なかなか鋭い。巧ならなりかねない。
「それにしても、よくスクープされなかったね?他の男と食事に行ったら撮られるんじゃないの?」
「仕事の打ち合わせにしか見えなかったらしいよ。僕そんなに頼りない?」
「マネージャーだと思われたんだ。かっこ悪」
無邪気に笑う。
巧は落ち込むが、エグられたお返し、と、直見も咎めない。
「それでね、あの…」