アシスタント!!
「ウォッカ」


「まぐろ」


「ベタ」


「掛けアミ」


手描きで細かく斜線を引いていく。


直見が線を引く傍ら、かいがいしく世話をする。


その姿を見た巧は、


「そこまでしなくても」


ぼそっと言ったひと言に那住が目もくれず、


「ほっといてください」


木下が、ああ、言っちゃったよこの人、という顔をする。


機嫌を損ねるじゃないか。と。


「だから、芽が出んのです」


空気が凍る。


「どういう意味です?!」


むっとする巧に、やはり顔色ひとつ変えず、顔も上げず、


「その通りの意味ですが」


立って見ていた巧は、顔を真っ赤にし、乱暴にドアを閉め部屋を出ていった。


追い掛けようとする直見に、


「止めんでいいです」


「だって」


「行ったら、もういれませんよ」


紙の上で目だけが動く。


「そんな」


「直見さん…」


木下が目配せして直見を見る。


やむなく席に戻り、仕事を再開する直見。
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