失恋にはバリスタ王子の恋ラテをどうぞ。
届くことの無かったこの手を、力無くだらりと下げる。
「気持ちが無いとか……」
ポタッ、ポタッ
頬に雫が落ちてきて、それは次第に多くなり、ザ-ッと滝のような雨があたしを打ち付ける。
レインボーブリッジは悲しいあたしの心とは裏腹に、七色に輝いている。
「じゃあ、あたしの気持ちは?」
あたしはヨロヨロと東京湾と陸地を遮る手すりに肘を付く。そして、項垂れた。
せっかくセットしたのに、髪も服もびしょ濡れ、涙でマスカラもアイシャドウも落ちてるに違いない。
「結婚とか勝手に想像して、馬鹿みたい。惨めすぎて……」
……辛い。
勝手に言い逃げして、あたしは誰にぶつければいいの?