失恋にはバリスタ王子の恋ラテをどうぞ。
「あたしは、どうしてここにいるのでしょうか」
「アンタが酔いつぶれたからだろ。俺、アンタんち知らねーし」
あぁ、あたしあの後酔いつぶれたんだ。
ピッチも、いつもより早かったから、当たり前か。
「では、どうして同じベットに?」
「俺のベットだから。あと、アンタを寝かせる場所が無かったから」
それはそうだけど、どうせなら、地面に転がしてくれた方がよかった。
目が覚めて知らない男と寝てたら、驚愕するわ。
「アンタ、本当無防備すぎ」
「え……」
翔は、少し怒ったようにあたしに顔を近づけ、両手首を掴んでそのまま上に乗り掛かってくる。
え、え!?
何、この状況!?翔が何で、あたしに馬乗りになってんのよ!!
「こんな風に、押し倒されたらどうすんだよ。女のアンタじゃ、何も出来ねーんだぞ」
「あ、え……しょ、翔?」
困惑したように見上げるあたしを、翔はただ静かに見下ろしてくる。
嘘でしょ、翔がこんな事するなんて……。
あたし、完全に信用しきってた。
「他の男見つければ?」とか言ってくるくらいだ。女の子だって、とっかえひっかえに遊んでたっておかしくない。