失恋にはバリスタ王子の恋ラテをどうぞ。
ーカランカランッ
「ありがとうございましたーって、あれ!?」
お客さんを送り出す嶺ちゃんと、バッチリ目が合う。
しばらく、そのまま見つめあった。
「あれ、あれれ!?林檎さん、めちゃくちゃキレイー!」
「あはは……ありがとう」
目をキラキラさせてあたしに駆け寄ってくる嶺ちゃんに、あたしは苦笑いを浮かべる。
「これは、デートですね!!」
「ゲホッ、ゴホッ……」
「だ、大丈夫てすか!?」
デートという言葉に、むせるあたしの背中を、嶺ちゃんが擦ってくれる。
動揺してるのが、バレバレじゃない。
高校生じゃあるまいし……。
「相手は、どなたですか??」
おぉ、若さゆえなのか、結構ズバズバ聞いてくるわね。とても、痛いところを……。