失恋にはバリスタ王子の恋ラテをどうぞ。
そちらさんのドルチェ王子ですよ!!
何を企んでるのか、デートに誘ってきたのよ!!
心の中で文句を言って、あたしは嶺ちゃんの肩に手を置く。
「……ブリザードみたいな男よ」
「おおっ!」
恋バナに興奮する嶺ちゃんに心の中で謝りながら、話を終了させようとする。
「知らない方が身の為……痛い!!」
「誰がブリザードだ」
頭の上にゴツンッと拳骨が落ちてきた。
振り返ると、不機嫌そうな翔が立っていた。
翔は、V字の白いTシャツの上に、ウエスタンデニムシャツを羽織り、黒のパンツ姿で登場してきた。
前に私服で会った時も思ったけど…翔、お洒落なのよね……。