失恋にはバリスタ王子の恋ラテをどうぞ。
なんで、本気でデートするつもりなの??
翔の態度がコロコロ変わりすぎて、分からない。
「ま、教えてやらねーけどな」
ためるだけ溜めて、ベーッとあたしに舌を出す翔。
それを、あたしは呆然と見つめる。
「……は?」
「ほら、さっさと歩けよ」
軽くあたしの手を引く翔に、ますます頭が混乱する。
本当に本当に何なの!?
翔の行動が謎すぎるんだけど!!
とりあえず、なすがまま翔について行く。
「あー、林檎」
「え、何?」
翔はこっちを見ないまま、あたしに話しかけてくる。
半歩先を歩く翔の耳が少し赤い気がした。