失恋にはバリスタ王子の恋ラテをどうぞ。


「経営者だったの!?」

「あ?言ってなかったか?」


知らなかったわよ!
まさか、こんな若いのにもう店を経営してるなんて…。


「秋サンと一緒に立ち上げた」

「そうだったの……すごいわね」


驚きすぎて、あたしはそれしか言えなかった。


「そんなん、林檎のがすげーよ」

「あたし……?」


相変わらずこっちを見ない翔の横顔を、あたしは見つめた。


「小説家として食っていけてんだし、夢叶えてんだろ」


「それはお互い様。翔だって、やりたい事を仕事にしてるんだし、尊敬するわ」


本当に、心から。


英太は、あたしの仕事の事に無関心だったから、こんな風に認めてくれるのがすごく嬉しい。


「ありがとう、映画楽しみ」

「そうかよ、見てーやつとかあんの?」


映画、そういえばずっと見に行って無かったな。
最近やってるといえば…。




















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