失恋にはバリスタ王子の恋ラテをどうぞ。
「ごめん、言いたくなきゃ……」
「……俺が22歳の時」
話を変えようと思った矢先、翔がポツリと話し出す。
話してくれないと思っていたから、少し驚いた。
「うん……」
だから、何も言わずに話を聞くことにした。
きっと、その痛みは本人にしか分からないし、アドバイスが欲しいわけじゃないと思ったから。
「2年付き合った4歳年上の彼女がいたんだよ。それなりに上手く付き合ってたし、いつかは結婚してーなとも思った」
翔の口から結婚の2文字が出て、少し胸が切なくなる。
不思議、どうしてこんな気持ちになるの?
あたしはそっと、服の上から胸を押さえた。