失恋にはバリスタ王子の恋ラテをどうぞ。
「起きてたのね、おはよう」
「はよ、つーか……綺麗だな」
翔は少し眠そうな掠れた声でそう言った。
あたしはその言葉に頷く。
「本当ね、ここは朝日が綺麗に見えるから…」
「ちげーよ、林檎が綺麗つってんの」
は、あたし??
あたしはポカンと目を見開いて翔を見つめる。
「朝日と、その寝巻き姿と、乱れた髪が、綺麗……いや、超絶エロイ?」
「は!?馬鹿、変態!」
ーボスッ!!
あたしは翔の頭の下の枕を引き抜いて、顔の上に乗せた。
「~~~ブハッ、オイ林檎何しやがる」
枕をどかした翔は、あたしを恨めしそうに見つめる。
「翔が悪いのよ、変態」
「男は皆変態なんだよ、じゃなきゃ、子供が生まれね…」
「分かった、今から警察を呼ぶわ」
こんなコントをしながら、最後は2人で笑ってしまうのが、あたし達の日課。
本当に、楽しくて幸せだ。