失恋にはバリスタ王子の恋ラテをどうぞ。


「林檎…さん?」

「はい、お久しぶりですね」


あたしはまさかまた会えると思っていなくて、あたしは嬉しくなる。


「あの、この間は通りすがりだって言ってましたけど…」


これで確信する。


mikiさんは、たぶん通りすがりなんかではなくて、ここに用事があるんだわ。


聞いていいものかと悩んでいると、それを察してか、miki
さんは小さく笑う。


「私が、ここに何かあっていると…気づいていますよね」


「すみません、なんとなく」


あたしの言葉に、mikiさんは少し儚げに笑う。


なんだか、mikiさんが太陽の照りつける光と一緒に消えてしまいそうだった。



「あの……少しだけ、話しませんか?」


なんとなく、ほっておけないなと思った。
その表情の理由が知りたい。



「え……?」


あたしの誘いに、mikiさんは不思議そうにあたしを見つめる。


「もう少し歩いた所に、公園があるんです。どうですか?」

「あ…ふふ、ぜひ」


あたしの誘いに、mikiさんは笑って頷いてくれた。






















< 89 / 116 >

この作品をシェア

pagetop